原子核の人工変換

1.ラザフォードのα線による人工変換(1914年)
一つの元素の原子核から他の元素に人工的に変換させた記念すべき最初の実験。この現象はウイルソンやブラケットなどの霧箱による実験で観察された。

2.コックフロフトとワルトンによる実験(1932年)
水素原子核(陽子)を60万ボルトという高電圧で加速して大きいエネルギーを与え,これをリチウム原子核にあてて2個のα粒子ができることを霧箱を用いて実験した。人工的に加速された粒子で原子核を変換した最初の実験。

3.熱核融合
軽い原子核どうしが反応して,それらより重い原子核ができる反応を核融合反応という。核融合で軽い原子核から重い原子核ができると,エネルギーを放出する。この反応を起こすには,重水素どうしを高速に加速し,衝突させて反応させなければならないが,高温で原子核の熱振動が十分なところでは,反応はひとりでに進んでいく。例えば,太陽では高圧・高温のもと核融合反応が行われている。

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