受験生争奪 先手の春 オープンキャンパス 前倒し次々 福岡県内の大学
3月17日17時7分配信 西日本新聞

 進学を目指す高校生に学内を開放して大学の魅力をアピールする「オープンキャンパス」を、定番の夏休みだけでなく春にも開催する大学が福岡県内で相次いでいる。18歳人口が減り、関東などの有名校へ志望が集中する傾向に、地方の大学には定員割れの危機感も強い。それだけに、PR時期を前倒しして「まずは志望校の1つとして選択肢に入れてほしい」という担当者たち。その願いは花開くか。

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 17日に春のオープンキャンパスを初めて開催したのは中村学園大(福岡市城南区)。栄養士や保育士といった資格取得を目指す高校生に「専門学校ではなく、わが大学を進学先に選んでもらいたい」(入試課)と、栄養学や幼児保育のミニ講義などを用意した。

 管理栄養士を目指す高城高(宮崎県都城市)2年の川口裕美さん(17)は「栄養士の合格率が高いと聞いて説明を聞きにきました」と、栄養科学部のパネル展示に熱心に見入っていた。

 九州産業大(福岡市東区)も25日、工学部限定で初企画。学生の理系離れが進んでいることから、ロボットを使った模擬実験などで工学への関心をいざなうのが狙い。特別ランチも無料で振る舞う。昨年に次ぎ2度目となる福岡工業大(同)は21日に開催。学長自らが参加し、高校生に直接語りかける熱の入れようで、5月にも予定している。

 いずれも主なターゲットは4月からの新3年生。各大学は夏にも従来通り開催するものの「夏では既に志望校を決めている受験生も少なくない」(福工大)。学校さえ選ばなければ数字上は受験生全員が大学・短大に入学できる「全入時代」を迎えたとされるだけに、学生獲得競争に先手を打ちたい考えだ。

 しかし、卒業式など学内行事で多忙な春の開催は、大学全体から見ればまだ少数派。昨年は3月と5月に実施した西日本工業大(苅田町)は「思ったほど参加が多くなかった」(企画広報担当)として、今年は3月開催を見送った。

 ただ、福岡大(福岡市城南区)なども開催を検討しており、各大学は費用対効果を見極めつつ、PRの早期化傾向を強めそうだ。

=2007/03/17付 西日本新聞夕刊=

最終更新:3月17日17時7分

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